この物語の概要
9・11以降の、“テロとの戦い"は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう……彼の目的とはいったいなにか? 大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官"とは? これは、戦争が引き起こす虐殺の物語・・・。
物語に出てくる主な登場人物
クラヴィス・シェパード
アメリカ情報軍・特殊検索群i分遣隊大尉。数々の特殊任務を経ていくうちに、ジョン・ポールと交錯する。父の銃自殺、そして交通事故により脳死状態に陥った母の生命維持装置を止めた過去を持つ。
ジョン・ポール
数々の虐殺の影にあり、幾度となく暗殺対象となるも、その都度逃亡を果たす謎のアメリカ人男性。元MITの言語学者。ルツィアとは不倫関係にあったが、妻子をサラエボの核爆弾テロで喪い、その関係は終わる。J・G・バラードの小説をよく読んでいた。
ルツィア・シュクロウプ
ジョン・ポールの愛人とされる女性。プラハでチェコ語の教師をしている。MITにて言語学を学び、そこでジョン・ポールと知り合った。ジョン・ポールの追跡任務に就いたクラヴィスの接近を受ける。なお、本来チェコ語では「シュクロウプ(Škroup)」は男性の姓、語尾に「ova」が付く「シュクロウポヴァ(Škroupova)」が女性の姓である。そのため劇場版では「ルツィア・シュクロウポヴァ」に名前が変更されている。